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依存と薬の減薬について


二つの依存について

①身体的依存(生理的依存)

薬物依存 イラスト

身体的依存:細胞レベルで体自身が求めてしまう依存。別名生理的依存と言われます。

例:長期に薬を飲んでいると細胞の受容体がそれを通常の状態と感じてしまう。そうすると、薬を飲まないときに体が「いつもと違う!」と反応してしまうのです。

一部の医療用薬剤を途中で止めてはいけない理由は、体が慣れてきたのに急に退薬することで思いもよらぬ症状が出てくるからです。

ですので、長く飲んでいる薬ほど減らしたい場合は少しづつ減らす必要があります。

*減量はその薬剤を熟知している医師の元で行うことが重要です。個人の判断で減量・休薬することは絶対しないでください。


②精神的依存

ギャンブル依存 イラスト

精神的依存:過去の開放的や満足感、ドキドキ感が忘れられず繰り返してしまう行動です。

例:買い物依存症やギャンブル依存症、ゲーム依存症。最近ではスマホ依存症(嗜癖が色々絡み合っている)もこの部類にあたります。

カウンセリングなども行われますが、治療で効果的と言われれているのは、同じ悩みを持つグループミーティングと、同じ依存症で克服または克服しつつある先輩との1対1の関係作りという2つのサポートを組み合わせる方法です。

同じ経験を持った者同士なので的確なアドバイスを与えられますし、支えあうことが出来るからです。


ポリファーマシーとは

多剤 イラスト

ポリファーマシーという言葉はご存知でしょうか?

必要以上の薬を飲んで、有害事象が発生している状態です。

不必要に飲み過ぎの状態もポリファーマシーにあたります。

昨今、医療業界はポリファーマシーを防ごうと動き始めています。

医療費を減らす目的でも効果がありますし、私も賛成です。 


薬での身体的依存

高齢者 服薬するイラスト

多くの薬は長期服用によって身体的依存を形成すると考えています。

 

例えば、胃薬。これも身体的依存が生じると考えています。

Q)長く胃酸を強く抑えた状態が続くとどうなるでしょうか?

体は消化のために必要最低限の胃酸を出す必要があるので、薬で胃酸を抑えられた状態でも頑張って胃酸を出そうとします。

いつかそれが当たり前になった時に胃薬を止めたらどうなるでしょうか?

抑制されていた胃酸がもろに胃壁を攻撃し、また逆流性食道炎という形で症状を前にも増して悪化させる可能性があると考えています。(実例経験あり。)

 

便秘薬でも同じことが言えます。

Q)便を柔らかくする薬が急に止まったら、腸はどうなるでしょう?

いつもと違う固い便が腸を通り、腸がいつも以上に活動するので腹痛などが出るかもしれません。それで便が出ればよいですが、出しきれない場合の最悪なケースでは腸閉塞になるかもしれません。 


減薬 まとめ

袋に包まれている薬 イラスト

減薬は少しづつが間違いないです。

 

長期に飲んでいる薬は体に身体的依存を生じている可能性があることをまずは知ってください。

その上で今服用している薬が必要なのか、不要なのかを考える機会になればと思います。

*あなたの体に必要な薬も勿論あります。減量は必ず医師との相談で行ってください。

 

体が元々持っている能力:恒常性機能(ホメオスタシス)を大事にしつつ、上手にお薬と付き合いましょう。

 

閲覧ありがとうございました。