ヤスデとは
今まで「くさい虫」程度の認識だったのですが、沖縄北部に移住してから必要に迫られ、色々調べて分かったことを記載していきます。
写真はヤスデの中で一番出会う機会の多い「ヤケヤスデ」。
一般的に「ヤスデ」と言えば、このヤケヤスデでしょう。
大きさ:大きくなっても2cm程度。
問題点
・大量発生→特に梅雨時は出会う率・数が増える。
・匂い→威嚇・防御時に強い不快なにおいを出します。青酸・ヨードが含まれて、人によっては気管支などに刺激を感じる方も。
・家に入ってくる→雨を避けて登る習性がある。
この3つが嫌われる大きな要素だと思います。
ムカデとヤスデ 違い
まず判別が必要なのは、噛む「ムカデ」です。「ヤスデ」は牙がないので噛みません。
ムカデとの違いは、まず走るスピード。圧倒的にムカデが速いです。ヤスデが3秒で10cm弱だとすると、本気を出したムカデは3秒で50cm弱くらい走ります。
他に大きさも違いますが、明らかに違うのはお尻から出る脚「=曳航肢」。この「曳航肢」があればムカデです。
約2cmの成長途中のムカデ。
赤〇で曳航肢を分かりやすくしています。拡大有り。
大きい個体でも曳航肢が認められます。
体長が5cm以上だったらムカデの可能性が高いです。また、体が平べったいもムカデ。
ムカデに出会った場合、対策をとれないようでしたら逃げたほうが良いです。
夜の散歩などでも注意してください。アスファルトにいることがあります。
↓
ムカデのまとめはこちら。
ヤスデの良いところも少し。
ヤスデは生物界で言うと「分解者」に当たります。
写真は植物を地植えした場所に、生ごみ処理機で出た処理物を撒いた部分です。
ミミズと一緒にヤスデ(生まれたて?)もいるのが分かります。
土にとっては良いやつなんです。
そうはいっても、少しの数ならまだいいですが大量発生はちょっとね。
植木での対策としては、処理物を土の深くに埋める。また、土の表面に赤玉土をかぶせるように乗せる。また、室内の植木等でしたら、こまめに取り除く。です。
ゼロではないですが、劇的にヤスデの出現が減りました。
種類
世界的にはかなりの種類が存在しているようです。
毛が生えたように見えるフサヤスデ。丸っこいダンゴムシのようなタマヤスデ。20cmを超えるタンザニアオオヤスデなど。
沖縄北部(自宅付近)で出会う種類は4種類です。もしかしたら、ダンゴムシと思っていてタマヤスデに出会っているかもしれんが、違いが分かりにくいので今後の課題にしておきます。
現状確認できているものは
・ヤケヤスデ 匂い 臭い。
・フジヤスデ 匂い・・・なし?
・ミナミヤスデ→個別にブログあり。匂いなし。
・ヤンバルトサカヤスデ かなり臭い。
の4種類になります。
出会う頻度は
ヤケヤスデ99% フジヤスデ2%~30% ヤンバルトサカヤスデ2%~40% ミナミヤスデ1%ってところです。
時期でだいぶ左右されるので、振り幅がかなり大きいです。
それぞれの良い写真が撮れましたら、追記していこうと思います。
ヤンバルトサカヤスデ
上の大きい方がヤンバルトサカヤスデ。
元々は台湾の種類。関東などにも輸入物と一緒に入ってきて繁殖しているようです。
特徴としては、やはり大きさでしょう。大きいものは4cm弱あります。
下はヤケヤスデ(2cmほど)と比べても倍はありそうですね。
威嚇・防御時の匂いはかなり臭い。シアン化合物という毒が含まれています。
こちらのヤンバルトサカヤスデの匂いのほうが「うわぁ~」と言ってしまう刺激臭です。
体が大きいので、匂いを強く感じるだけかもしれません。
地元の人は、「ヤンバルムシ」と言っていました。
対策
出来ることは、①ヤスデの住みにくい環境にする。②薬などで防除する。③放っておく。
大きくこの3つになります。結構周りでは③の人が多いです。面倒や諦めもあると思います。
追加すると、④引っ越す。もありますね。
①環境対策:雑草など早めに対策することで餌となる枯れた草などを減らす方法。また、湿気の集まる場所の回避・撤去です。環境的に出来る方ならしたほうが良いでしょう。
②防除:一番手っ取り早い方法です。自宅周りは森に近いのですが、サイベーレでだいぶ数が減りました。それでも出現は毎日数匹あります。
以前は塩水や薄めた洗剤などで一匹ずつ処理していました。ヤスデ単体だと効果もかなりありましたが、数が多いし建物の基礎や土壌に影響が出そうなので止めました。
今度、塩水での殺虫の動画を参考に載せようかと思います。
積極的に退治したい方は↓
③放置:一番手間のかからない方法です。家の中への侵入がないのであれば、この選択肢もあるのかと思います。
自然相手ですので、根こそぎ殲滅も出来ないでしょうから上手く共存できるのが一番だと思っています。
閲覧ありがとうございました。
その他、沖縄の生物一覧は→ こちら。
追記 タマヤスデ 2019/06/30
ずっとダンゴムシと思っていた虫が、タマヤスデだと分かりました。
ですので、沖縄で出会ったヤスデは5種になりました。
タマヤスデとダンゴムシとの大きな違いは、足の数です。
タマヤスデは34本 ダンゴムシは14本。タマヤスデの方が2倍以上多いとの事。
確認のため、実際の写真をどうぞ。
ダンゴムシよりツヤツヤで真ん丸くなります。
大きさは大きくても4mmほど。
3番目の写真で足の数が多いことを確認。平気な人は、クリックして拡大してみてください。
タマヤスデの仲間に間違いなさそうです。
普段気にしない人は、ダンゴムシでしょ?と言いそうですが、よく見ると違いがあるもんですね。
自分の観察眼の無さに情けなさを感じます。
これからも観察眼を磨いていこうと思います。
追記の閲覧、ありがとうございます。
追記 フジヤスデ 2019/11/15
久しぶりに遭遇。
このヤスデは寒い季節に遭遇する機会が多いです。
フジヤスデ:3cm程度の大きさで、臭わない。
壁を登ることもあまりせず、ミナミヤスデを小さくして黒くしたバージョンって感じです。
写真の個体は3cm程度。
よーく見ると、スケルトンっぽい色になっています。
このヤスデはそこまで不快じゃないので、そのまま放置しています。
追記 ホルストネジアシヤスデ
あまりヤケヤスデと変わりなく思っていましたが、明らかに色が違う個体。
少し調べたアカヤスデとも違うような気がしますので、保留しています。
遭遇するのは全体の5%もないです。
種類が特定できていませんので、出会ったヤスデの種類に追加していません。
追記:たまたまtwitterにて、教えてくれた人がいました。
検索でも出てくるので、恐らく間違っていないと思われます。
追記 ヤスデ(産まれたて?)2020/05/28
体長5mmほどのヤスデ(ヤケヤスデ?)。
周りにヤスデがたくさんいる環境ですが、この大きさのヤスデはあまり見ません。
小さい間は外敵に襲われないように土の中にいると思いますが、雨で溺れないように出てきたと予想されます。
あまり見ないのでパシャリ。
追記:ミナミヤスデ(フトマルヤスデ)
長さ6cmほどのミナミヤスデ。
別名フトマルヤスデ。
雑草の中にいます。サトウキビ畑に良くいると聞きます。
触っても臭いは無く、素早さもないので何となくユーモラスな印象。
虫嫌いの方には気持ち悪いでしょうけど、実際の害はそこまで無いと思ってます。
個別ブログはこちら。(動画アリ)
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